日本高血圧学会実地医家部会へようこそ
日本高血圧学会 実地医家部会 部会長
勝谷 友宏
実地医家部会は、2018年5月に産声を上げました。高血圧症は、わが国で最も患者数の多い疾病であり、その治療の大部分を実地医家が担っているにも関わらず、学会における活動が大学や基幹病院の先生方中心となっていることから、臨床経験豊富な実地医家の集まりを作ろうと自然発生的に出来上がった部会となります。
設立に際しては、広島県呉市で減塩活動を積極的に展開されている日下美穂先生が部会長となり、現在は日本医師会の常任理事として活躍される宮川政昭先生と私が副部会長を務め、高血圧に関してパッションをもつ全国各地の有志の先生と一緒に様々な活動を立ち上げてきました。中でも、日下先生が企画された各種ワーキングが、学会本体や様々な企業とのコラボも含めて展開され、総会におけるシンポジウムだけでなく、ソルコンフェスティバルの成功や、実臨床で役立つコンテンツの作成など成果が実を結びつつあります。本部会の創成期を牽引していただいた日下先生、宮川先生は2022年10月の第44回日本高血圧学会総会をもって顧問に就任され、不肖私が2代目の部会長を務めさせていただくこととなりました。
本部会は、世界の中で降圧目標達成率が後進国に陥っている日本の臨床イナーシャを改善し、実際に高血圧診療に携わる実地医家が手を取り合い、全国津々浦々で日本高血圧学会の取り組みを実践し、血圧の測定や管理状態改善のための連携の輪を広げていくことを活動の主旨としております。野出孝一新理事長と共に、学会のFuture Planの目標達成のために日常臨床に取り組むだけでなく、子供たちの食育、産業医としての生活習慣改善指導、行政と一体となった脳卒中・循環器病対策基本法に基づく地域における対策、地域共生社会を目指す中での高齢者や社会弱者に対する取り組みなど、多職種と一体となった地元における活動こそ本部会の目指すところであります。さらに、学会が強く推進し、部会の先生のご協力で高血圧患者登録数が6000名を超えたリアルワールドの観察研究であるJ-DOMEも新しい形の臨床研究として衆目を集めています。
喫煙と並んで日本人の死亡率に対する寄与度が圧倒的に大きい高血圧の改善なくして、日本人の健康寿命延伸は考えられません。その鍵を握るのは、高血圧専門医だけでなく、内科医だけでなく、地元で高血圧診療に携わる全ての実地医家です。是非、周りの先生にもお声がけいただき、地元で、そして日本全国で、共に高血圧診療の未来を作っていきませんか?開業しても、病院勤務でも、こんなに楽しく学会活動ができるんだ、ということを実感していただける部会の活動を目指して参りますので、宜しくご支援のほどお願い申し上げます。
2022年11月吉日 日本高血圧学会実地医家部会 部会長 勝谷友宏
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